ぬか床のお手入れや管理ってどうやるの?症状別の対処法も解説!

腸内環境を整える「腸活」人気の広がりにより、発酵食品の「ぬか漬け」にも注目が集まっています。
しかし、乳酸菌など生きた菌を取り扱う「ぬか床」は、毎日の管理が大変なイメージがあり、「興味はあるけど、初心者の私には無理かも…」という方も多いでしょう。
今回は「ぬか床って、どうやって手入れや管理をすればいいの?」という疑問に対して、ぬか床の基本的な手入れや管理の方法ぬか漬け初心者が最初に悩む「ぬか床の症状別対処法」「ぬか床に入れるとおいしくなるもの」について解説します。

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ぬか床に野菜を漬ける

目次
1.ぬか床の基本的な手入れと管理方法
1.1 まずは毎日かき混ぜる
1.2 なぜ毎日かき混ぜることが必要なの?
1.3 かき混ぜる際のコツ
1.4 理想のぬか床の状態は?
1.5 足しぬかのタイミングは? 
1.6 ぬか床の保管方法
1.7 長期間外出する場合のぬか床の管理方法
1.8 ぬか床は冷凍可能?
2.ぬか床の症状別対処法
2.1 ぬか床が水っぽくなった場合の対処法
2.2 ぬか床の表面の白い膜の対処法
2.3 ぬか床にカビが生えた場合の対処法
2.4 ぬか床に苦味やえぐみがある場合の対処法
2.5 ぬか床に匂いが出た場合の対処法
2.6 ぬか床に何も入れない時の対処法
3.ぬか床に入れるとおいしくなるもの
 3.1 そもそもぬか床で食品が美味しくなるのはなぜ?
 3.2 ぬか床のうま味を増してくれる食材
 3.3 ぬか床の風味を増してくれる食材
 3.4 ぬか床の保存性を高めてくれる食材
4.ぬか床の手入れや管理を少しでも楽に始めたいあなたに

1.ぬか床の基本的な手入れと管理方法

玄米を精米する際に出る粉の「米ぬか」に、水と塩を混ぜたものが「ぬか床」です。
ぬか床の中には乳酸菌などのたくさんの微生物が共生していて、ぬか床に入れられた野菜が発酵することでうま味成分や風味を加えてくれます。
おいしい「ぬか漬け」を作るには、微生物をバランス良く育てる「手入れ」や「管理方法」を知ることが重要です。

まずは毎日かき混ぜる

手作りのぬか漬け

ぬか床の手入れの基本は「かき混ぜる」ことです。
常温の場合は毎日、冷蔵庫に保存する場合は2日に1度はかき混ぜるのが理想的です。
しかし、30℃を超えるような夏場だと発酵が進み過ぎてしまうので、冷蔵庫や冷蔵庫の野菜室に保管することをおすすめします。

なぜ毎日かき混ぜることが必要なの?

ぬか床の中には「乳酸菌」以外にも、「酪酸菌」や「酵母菌」など多くの菌が共生しています。
乳酸菌は酸素をあまり好みませんが、反対に「酵母菌」は空気が好きなど、それぞれの菌で適した環境が違うため、かき混ぜることで微生物たちのバランスを取ってあげることが必要です。
手で混ぜることで、さらに人についている常在菌も加わるので、その家独自のぬか床が育っていくことにもつながります。

かき混ぜる際のコツ

手作りのぬか漬け

ぬか床全体に空気を送り込むように上下を入れ替えるようなイメージでかき混ぜてください。
かき混ぜた後は、ぬか床の空気を抜くように平らに抑え込みましょう。

理想のぬか床の状態は?

手作りのぬか漬け

ぬか床を掴むとふわっとした感触で、指と指の間から水分がにじんでくるくらいの状態がよい状態です。
人によって酸味の強さなど好みが異なるので、自分が美味しいと感じた時のぬか床の味を覚えておくとよいでしょう。

足しぬかのタイミングは?

足しぬかの追加

ぬか漬けを続けていくと、野菜の水分が次第にぬか床に移っていきます。ぬか床に水分が多すぎる状態だと、腐敗菌が繁殖しやすい環境になってしまうので、適切なタイミングでぬかを足す「足しぬか」が必要になります。
足しぬかは月に1回ほどの間隔を目安に、ぬか床の中の水分量が増え、ゆるゆるな状態になってきたら行いましょう。

足しぬかには「生ぬか」と「炒りぬか」の2種類があります。
どちらが良いというわけではないので、特徴を知って自分にあった方を選びましょう。
生ぬかはお米屋さんで手に入り、火を通していないので乳酸菌が豊富ですが、酸化が進みやすいという特徴があります。
炒りぬかはスーパーなどでも手に入り、火を通しているので保存性にすぐれています。

足しぬか・カップ1の分量に対して塩小さじ1の割合を目安に、微調整しながら加えてください。

ぬか床の保管方法

ぬか床は基本的に常温保存で、直射日光の当たる場所や湿気の多い場所も避けましょう。
ぬか床の最適な温度帯15℃〜25℃と言われています。なぜなら、そのくらいの温度でぬか床の微生物たちの活動が最も活発になるからです。
真夏の熱い時期などには冷蔵庫や冷蔵庫の野菜室で保存するのも有効です。冷蔵庫に保存する場合は2週間に1回は常温に戻すなど、季節に合わせた管理も必要になります。

長期間外出する場合のぬか床の管理方法

手作りのぬか漬け

1週間以内程度の外出であれば、ぬか床から野菜を取り出して、冷蔵庫で保管してあげましょう。冷蔵庫にいれておくことで、菌の活動が抑えられます。
水分が多かったり塩分が少ないと雑菌が繁殖する原因になるので、足しぬかや塩を加えておくとなおよいでしょう。
もし1週間以上の長期的な外出になる場合は、ぬか床を冷凍保存してください。

ぬか床は冷凍可能?

ぬか床は、約半年程度は冷凍状態で保存が可能です。
野菜を取り出したぬか床を、タッパーやジップロックなどに詰めて冷凍庫に入れてください。
再度ぬか床を使う場合、乳酸菌の活動を促すために自然解凍してあげましょう。

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2.ぬか床の症状別対処法

ぬか床は多くの微生物が共生し相互に作用し合うことによってぬか漬けが生まれるため、菌の状態によってぬか床の状態も日々変化していきます。
「水っぽくなったきた」、「酸味が強すぎる」など、ぬか床の扱いに慣れていない初心者にとって、対応に戸惑ってしまうことも多いでしょう。
ぬか床の症状ごとの対処法を解説していますので、参考にしてください。

ぬか床が水っぽくなった場合の対処法

手作りのぬか床

ぬか漬けを続けていくと、ぬか床に水分が溜まってしまい、ゆるゆるな状態になっていきます。
その場合には、簡単な対処法としては清潔な布やキッチンペッパーをぬか床の上に引いて、水分を吸い取る方法があります。
昆布や干し椎茸のような乾物をぬか床に入れることで食品に吸水してもらう方法なら、うま味も加えることが可能です。
それでも水っぽさが解消されない場合は足しぬかを行いましょう。

ぬか床の表面の白い膜の対処法

ぬか漬けを続けていくうちに、表面に発生するカビのような白い膜の正体は「産膜酵母」です。ぬか床に乳酸菌が増えてきている証でもあり、ぬか床と一緒にかき混ぜてしまっても問題はありません。
「産膜酵母」の匂いが気になる方はその部分だけを取り除いてください。

ぬか床にカビが生えた場合の対処法

白い以外の黒や灰色などのカビが発生した場合は、少量だけの発生であれば周辺のぬか床を多めに取り除いてください。
もし大量に発生してしまった場合は、すべて廃棄するか、カビの部分を取り除いた後に、ぬか床をすべて容器から取り出して容器を洗浄消毒し、ぬか床を戻して足しぬかを行いましょう。

ぬか床に苦味やえぐみがある場合の対処法

ぬか漬けが苦くなってしまう場合、塩分濃度の低下やぬか床の温度が上がり過ぎていることによる腐敗菌の増殖が原因の1つに考えられます。その場合の対処法としては、ぬか床に塩を足す、もしくは足しぬかを行い、冷蔵庫に入れて乳酸菌の発酵を抑えてあげましょう。
また、きゅうりや玉ねぎなどの苦味成分が多い野菜でぬか漬けを続けていると、その野菜の苦味成分がぬか床に移ってしまい、苦味やえぐみを生み出すことがあります。その場合は、大根やキャベツなどの水分の多い野菜を漬けて苦味を中和させてあげたり、足しぬかを行い対応してください。

ぬか床に匂いが出た場合の対処法

元々独特の匂いがするぬか床ですが、腐敗臭や特に強い匂いがする場合には原因がいくつか考えられます。
水分が多すぎると腐敗菌が増えやすくなるので、その場合は足しぬかを行うなど、水分を減らして塩分濃度を高めることで雑菌の繁殖を抑えてあげましょう。
また、ぬか床のかき混ぜ不足や気温が上がることによる発酵過剰も匂いの原因の1つです。かき混ぜることでぬか床のバランスを常に良好に保ち、夏場などは冷暗所などの涼しい場所や冷蔵庫を保管するなど、注意しましょう。

ぬか床に何も入れない時の対処法

手作りのぬか漬け

基本的に毎日、もしくは2、3日に1度、ぬか床をかき混ぜてあげるだけで大丈夫です。
もしかき混ぜることができない場合は、冷蔵庫に入れることで過剰発酵が防げます。足しぬかをした後に冷蔵庫に入れてあげるとさらに安心です。

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3.ぬか床に入れるとおいしくなるもの

ぬか漬けの独特のうま味や酸味はぬか床の乳酸菌が出してくれます。それに加えて、うま味成分や風味をプラスしてくれる食材を入れることで、ぬか床の味をさらにおいしく変化させてあげることが可能です。

そもそもぬか床で食品がおいしくなるのはなぜ?

野菜の中の乳酸菌や酵母がぬか床に含まれる「ぬか」の鉄分などの豊富な栄養分に取り込むことにより、ぬか床の中で増殖していきます。
そして、ぬか床に含まれる塩分の浸透圧の作用によって、漬けた野菜から水分が失われた代わりに、ぬか床の入っている酵母菌の香りや乳酸菌の酸味が野菜に吸収され、うま味成分を加えてあげれば、そのうま味も野菜にプラスされます

ぬか床のうま味を増してくれる食材

ぬか漬けに入れると美味しくなる食材

ぬか漬けにうま味を加えてくれる代表的な食材が昆布と干し椎茸です。昆布や干し椎茸はぬか床の水分調節の役割もこなし、食材自体がぬか漬けにもなります。
煮干や鰹節もぬか床にうま味を足してくれる食材ですが、独特の風味やうま味が強く、取り出すのも難しいため、入れすぎには注意しましょう。うま味を足しすぎて味が変わってしまうと元に戻すことができません。
他にも焼いた塩鮭の頭を入れるとうま味が増し、まろやかな味わいになるのでおすすめです。

ぬか床の風味を増してくれる食材

ぬか漬けに入れると美味しくなる食材

うま味に加えて、ぬか床に風味や香りを足してくれる食材もあります。
「黄ゆず」や「みかん」などの柑橘系の皮爽やかな香りの「実山椒」吸水力もある「きなこ」などもおすすめです。

ぬか床の保存性を高めてくれる食材

ぬか漬けに入れると美味しくなる食材

香りづけにもなる「実山椒」は防腐効果も期待でき、「鷹の爪」は防虫効果はもちろん、ぬか漬けに辛味を加えることで味を引き締める効果もあります。
他にも殺菌作用のある「青梅」、防腐作用と殺菌作用でぬか床の保存性を高めてくれる「生姜」などもおすすめの食材です。

複数の食材をぬか床に加えて組み合わせることで、その家庭独自のぬか床に仕上げていくことはぬか漬け作りの魅力の1つです。しかし、あまり複数の食材を一緒に組み合わせるとぬか床の味の調整がその分難しくなるため、まずは食材を1つずつ付け加えてみることをおすすめすします。

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ぬか床に野菜を漬ける

4.ぬか床の手入れや管理を少しでも楽に始めたいあなたに

ぬか床を毎日「かき混ぜる」ことやさまざまな食材をぬか床に加えてあげることで、その家庭独自のぬか漬けを楽しめるでしょう。しかし、足しぬかのタイミングや量、季節ごとのぬか床の取り扱いなど、初心者にはどうしても困ってしまう場面が少なくありません。
そのような方には、市販のぬか床キットを利用すれば野菜を入れるだけでおいしいぬか漬け作りが始められるのでおすすめです。

私たちの商品、「腸活ミニ野菜」は昭和26年から漬物をつくられている「キムラ漬物宮崎工業株式会社」さんの、有機米など材料にこだわった熟成ぬか床を使っています。
手作りの糠

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